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名古屋地方裁判所 平成3年(ワ)609号 判決

名古屋市守山区川宮町一八七番地

原告

伊佐地一利

右訴訟代理人弁護士

高木修

同右

内藤義三

右訴訟復代理人弁護士

三木浩太郎

同右

金子忠彦

右輔佐人弁理士

長屋文雄

新宮市新宮三四五六番地

被告

株式会社フクダ精工

右代表者代表取締役

福田拳二

東京都中央区京橋一丁目一番一号

被告

ラサ工業株式会社

右代表者代表取締役

米山良夫

被告ら訴訟代理人弁護士

梅本弘

同右

片井輝夫

同右

石井義人

同右

池田佳史

被告ら輔佐人弁理士

杉本勝徳

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は、原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

一  被告らは、別紙イ号物件目録記載の構造を有するロッドミルを製造し、又は販売してはならない。

二  被告株式会社フクダ精工は、原告に対し、金二四〇〇万円及びこれに対する平成三年三月一七日から支払済に至るまで年五分の割合による金員の支払をせよ。

三  被告ラサ工業株式会社は、原告に対し、金一六〇〇万円及びこれに対する平成三年三月一六日から支払済に至るまで年五分の割合による金員の支払をせよ。

第二  事案の概要

本件は、被告らによるロッドミルの製造販売行為について、原告が、実用新案権に基づき、その差止め及び損害賠償を求めた事案である。

一  争いのない事実等

1  原告は、次の実用新案権(以下「本件実用新案権」といい、その考案を「本件考案」という。)を有している。

考案の名称 ロッドミル

出願日 昭和五七年二月一六日

出願公開日 昭和五八年八月二四日

出願公告日 昭和六三年七月一日

登録日 平成元年三月二二日

登録番号 第一七六四九九七号

2  本件考案の実用新案登録請求の範囲は、別紙実用新案公報(以下「本件公報」という。)の該当欄記載のとおりである。

3  本件考案の構成要件を分説すれば、次のとおりである。

A 差動装置の両側へ一対の転軸を回動自在に対設し、

B 該転軸のそれぞれ一端にクッション性を備えた駆動輪を固設してなる転軸体の二基を水平で平行状に対設し、

C かつ、前記一対の差動装置間を前記転軸と直交状に配設した中間軸で回動自在に連結し、

D さらに、一つの駆動源と前記差動装置の一つとを前記中間軸と同一中心上に配設した駆動軸で回動自在に連結し、

E 前記駆動輪と転接して回転可能とすべく中心を水平としたシェル本体の外周に囲繞して配設の一対の外輪体を乗載してなり、

F 前記駆動輪すべてを前記一つの駆動源で駆動させて該外輪体と転接して前記シェル本体を回転させるべく形成した

G ことを特徴とするロッドミル

4  本件考案の作用効果は、次のとおりである(甲一)。

(一) シェル本体及び二基の転軸体の中心が水平であるので安定したものとなる。

(二) ロッドの転動や駆動輪の摩耗等によるシェル本体の重心の変動に的確に対応して、駆動輪の回転を差動させることができる。

(三) 常にシェル本体の両側から一定の回転数を付与でき、シェル本体をスリップさせることなく確実かつ安定的に、さらに、極めて効率よく回転させることができる。

(四) 駆動源も一つでよいので設置面積を小さいものとできる上、安価かつ容易に製造できる。

(五) シェル本体での砕石能力を高め得るため、シェル本体をテーパ状に形成した場合においても外輪体を介して一定の回転を可能とする。

5  被告らの行為

被告株式会社フクダ精工(以下「被告フクダ精工」という。)は別紙イ号物件目録記載のロッドミル(以下「イ号物件」という。)を製造販売し、被告ラサ工業株式会社(以下「被告ラサ工業」という。)は、これを販売している(ただし、イ号物件の構造の説明については、後記二1のとおり一部争いがある。)。

二  争点

1  イ号物件の特定(争点1)

(一) 原告

イ号物件は、別紙イ号物件目録記載の構造の説明のとおりの構成よりなる。

(二) 被告ら

(1) 別紙イ号物件目録記載の構造の説明のうち、「駆動軸E」及び「中間軸M」の呼称は相当ではない。イ号物件には、軸Eがあるのみで、中間軸に該当する軸は存在しない。

また、「中間軸Mは、差動装置Gの間をベルトFを介して連結している。」、「差動装置Gは、駆動軸Eの回転をそれとは直交状にある転軸H-Hの回転に変える。」とある部分は争う。軸Eの回転は、ベルトFを介して他の軸に伝えられ、その軸が差動装置と連結して差動装置に回転を伝える構造になっている。したがって、差動装置は、軸E上のプーリーからベルトを介して連結されたプーリーにより作動する他の軸の回転を転軸H-Hの方向に変えるものである。

「なお、駆動源Cによって生じた回転は、同様のコースをたどり、駆動補助輪Kをも回転させ」とある部分も、「同様のコースをたどり」とする点については右に主張したとおりであり、また、駆動補助輪Kの呼称は適切ではない。

(2) イ号物件は、別紙一記載のとおり、ずれ防止輪K、センサー輪L及びライナーJを備えている。

ずれ防止輪Kは、シェル本体が傾斜しているためシェルが移動しようとする力が継続的に働くので、シェルの移動をくい止めるために設けられている。

センサー輪Lは、駆動輪、遊輪のパンク等でシェルが予想外の動きをしたとき、左方向にも力が働き、回転する。センサー輪Lが回転すると機械は停止する。

ライナーJは、機械に傾斜を与えるためにベース部分に挿入される鉄板である。

2  イ号物件は、本件考案の技術的範囲に属するか(争点2)

(一) 原告

(1) 本件考案の構成要件との対比

〈1〉 イ号物件は、一対の差動装置G、Gの両側に一対の転軸H-Hを有しているので、構成要件Aを充足する。

イ号物件の転軸体は二基であり、その間に回転する軸が付加されているに過ぎず、そのような構成要件以外のものが付加されていても、実用新案権侵害を否定する根拠にはならない。

〈2〉 イ号物件の転軸H-Hの両側にある駆動輪Jは、いわゆるタイヤ状のもので覆われており、クッション性を備えている。また、二基の転軸H-Hはほぼ水平で平行状に設置されているので、構成要件Bを充足する。

〈3〉 構成要件Cにいう中間軸とは、一対の差動装置の間で駆動源の回転を伝達する軸のことであり、イ号物件の転軸H-Hと中間軸M(駆動軸Eの中間部分)とは直交状に配置されているので、構成要件Cを充足する。

〈4〉 一方の差動装置に対して回転を伝達するのが駆動軸であり、イ号物件の中間軸Mと駆動軸Eとは同軸状に連結されていて、かつ、同一の駆動源で等速の回転を各差動装置に伝達する構造になっているので、構成要件Dを充足する。

〈5〉 イ号物件のシェルAの周囲は外輪体Bがあり、前記駆動輪Jと接触してその回転により回転するようになっているので、構成要件Eを充足する。

〈6〉 イ号物件の駆動輪Jは、いずれも同一の駆動源Cにより駆動されるようになっているので、構成要件Fを充足する。

〈7〉 イ号物件は、砕石用のロッドミルであるので、構成要件Gを充足する。

したがって、イ号物件は、本件考案の構成要件をすべて充たしているから、本件考案の技術的範囲に属する。

(2) 構成要件B、Eのうち、転軸体及びシェル本体の中心を水平とするとの要件について

イ号物件を水平面に置いた場合、転軸体及びシェル本体の中心は水平となる。本件は、物に係る実用新案権に基づき、物の製造販売段階での差止めを求めているのであるから、第三者がこれを傾斜させて使用しているとしても、そのような使用方法を理由として侵害の成立を否定することはできない。

また、実際の使用状態においても、明らかにほぼ(ほとんど)水平である。すなわち、その傾きはコンマ以下であり、あったとしてもせいぜい一度前後である。この程度なら水平といって差し支えなく、かつ、水平としたことによる作用効果も欠けるところはない。

(二) 被告ら

(1) 構成要件Bについて

〈1〉 イ号物件においては、転軸体は三基であり、さらにその外側に二個ずつ合計四個の駆動補助輪が存在する。したがって、駆動軸の基数が異なり、その作用効果も、シェルの回転を安定させ、作業能率及び機械自体の耐久力が増大するという点で二基の場合と異なる。

〈2〉 また、イ号物件の転軸体は、水平に設置されておらず、シェルの排出口側が供給口側よりも一度ないし二度高くなるように傾斜している。

ロッドミルは、回転するシェルの一方から原石を投入してシェル内部のロッドで粉砕し、他方から排出するというものであり、シェルの設置角度は、シェル内部の原石の滞留時間を左右し、そのことは、排出される砂の粒の大きさを決定する。したがって、シェルの設置角度はロッドミルにおいて重要な意味を持ち、イ号物件は、砕石場における原石の硬度、大きさ、必要とされる砂の粒の大きさ等を考慮して、最も適する角度を付して設置するものである。また、シェル内部のロッドはシェルの回転によって一定方向に進行しようとするので、それを防止するためにも、シェルに角度を付する必要がある(例えば、イ号物件のうち二四四二型では、シェルは直径二・四五メートルで毎分一九回転するが、シェル内のロッド棒がシェル一回転につきシェル内部で約一メートル落下するとすると、シェルが一度傾斜していることにより、ロッド棒の移動量は毎分三二・三センチメートルと計算することができる。)。このように、イ号物件においてシェル及び転軸体を水平に設置しないことには大きな意味があり、作用効果上も大きな差異が存在する。

力学的にも、イ号物件のシェルが一度傾斜している場合、作動時に傾斜方向に働く力は約二・八トンであり、水平に設置されている場合と同視することは到底できない。

〈3〉 本件考案において、「水平」の要件が重要であることは、出願の経緯に照らしても明らかである。すなわち、原告が実用新案登録請求の範囲に「中心を水平とした」シェル本体という要件を加えたのは、拒絶査定により、被告フクダ精工代表者の出願に係るシェルを傾斜させて設置する特許発明との類似性を指摘された後のことである。したがって、傾斜しているシェルをとらえて、水平と同視し得るので本件考案の技術的範囲に属すると主張することは、自己矛盾である。

〈4〉 イ号物件は、縦横が約八メートル、高さ約五・七メートル、静加重約八〇トン、動加重約一六〇トンに達する機械であり、現地での組立て、据付作業等はすべて被告らが行っている。機械の傾斜については、専用の据付ライナー(別紙一のライナーJ)を所定の位置に装着している。イ号物件は、ライナーを装着しなければ駆動させることはできず、専用ライナーの装着を前提として各部分は設計されており、専用ライナーと共に製造販売されている。

〈5〉 したがって、イ号物件は、構成要件Bを充足しない。

(2) 構成要件C、Dについて

イ号物件では、二つの差動装置は中間軸で連結されておらず、そもそも、差動装置間を連結する軸は存在しない。さらに、駆動源と差動装置の一つを連結する駆動軸であって中間軸と同一中心上に配置されたものも存在しない。つまり、イ号物件は、本件考案とその動力伝達系統をまったく異にしている。

また、作用効果の点においても、イ号物件においては、ミル内部の重心の変化及び駆動輪の空気圧の変動に伴う回転速度の差異の問題をベルトのスリップによって解消し、駆動軸の数を増やすことも極めて容易となっている。

したがって、イ号物件は、構成要件C、Dを充足しない。

(3) 構成要件Eについて

イ号物件のシェルは傾斜しており、中心を水平としていないから、構成要件Eを充足しない。

3  損害額(争点3)

(一) 原告

(1) イ号物件は、一台約四〇〇〇万円であり、被告フクダ精工はこれを一五台以上製造販売し、被告ラサ工業は一〇台以上販売した。

(2) 本件考案の実施料は、売上額の四パーセントが相当であるので、原告が被告らの本件実用新案権侵害行為によって被った損害は、被告フクダ精工については少なくとも二四〇〇万円、被告ラサ工業については少なくとも一六〇〇万円である。

(3) よって、原告は、被告らに対し、各自、右損害金及びこれに対する不法行為による結果発生後である、被告フクダ精工については平成三年三月一七日から、被告ラサ工業については同月一六日から、支払済に至るまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払をすることを求める。

(二) 被告ら

原告主張の損害発生の事実は否認する。

第三  争点に対する判断

一  イ号物件の特定について(争点1)

イ号物件がイ号物件目録添付のイ号図面のとおりの構造を有していることは当事者間に争いはない。被告らは、その構造の説明のうち部材の名称及び動力伝達の方法の記載の一部について原告と異なる主張をするが、その点は、イ号物件の構成そのものではなく、構成部分の評価・表現方法に関するものと認められるから、後記二2の本件考案とイ号物件の構成の対比において併せて検討することとする。

二  イ号物件は、本件考案の技術的範囲に属するか(争点2)

1  構成要件の検討

本件考案の構成要件は、これを分説すると、第二の一3のとおりであるが、そのうち、構成要件C、D及び構成要件B、Eについて、本件公報の請求の範囲の記載を前提として、さらに検討する。

(一) 構成要件C、D中の「中間軸」「駆動軸」の意義について

まず、右の各構成要件に含まれる「中間軸」は、構成要件Cにより「一対の差動装置間」を「回動自在に連結」するものでなければならないことは明らかである。また、構成要件Dの「駆動軸」が「一つの駆動源」と「前記差動装置の一つ」とを「回動自在に連結」するものであり、かつ、「前記中間軸と同一中心上に配設された」ものでなければならないことも、構成要件D自体から明らかである。そうすると、請求の範囲の記載からして、中間軸は二つの差動装置の間を回動自在に連結していなければならず、これに対し駆動軸はその二つの差動装置のうちの一つと駆動源とを回動自在に連結していなければならないことになる。そして、請求の範囲において、「中間軸」と「駆動軸」とは、異なる語をもって表現されており、しかも、両者が同一中心上に配設されていなければならない旨特に明記されているのであるから、請求の範囲の記載においては、両者は、機能の異なる別個の軸として記載されていると解するのが相当である。

したがって、請求の範囲の記載からして、本件考案における中間軸は二つの差動装置を回動自在に連結することにより一方の回転を他方に伝達するものであり、これに対し駆動軸は二つの差動装置のうちの一つと駆動源とを回動自在に連結することにより駆動源の回転を当該差動装置に伝達するものであるというべきである。

そうすると、本件考案においては、駆動軸と中間軸とが別個に存在し、駆動源の回転が、駆動軸から差動装置の一方に伝達され、さらに当該差動装置から中間軸を介して他方の差動装置に伝達されるという構造になっていなければならないことになる(しかも、中間軸は、駆動軸と同一中心上に配設されていなければならない。)。

右に判示した点は、請求の範囲の記載から理解できるところであり、また、考案の詳細な説明の欄において記載されている実施例も右の解釈を裏付けるものである。

もっとも、考案の詳細な説明欄には、「なお、本実施例では差動装置二基を一本の中間軸を介して連動させることにより同一駆動源で駆動可能とする構成としたが、本考案はこれに限らず、同一駆動源で等速の回転を各差動装置に伝達できるものであればどのような構造であってもよく、………、これらは本考案の要旨を何ら変更するものでない」と記載されているが、「同一駆動源で等速の回転を各差動装置に伝達できるもの」というのは、本件考案が解決しようとした一つの課題であって、それを解決するための具体的な技術思想(考案)そのものではないから、詳細な説明欄に右のような記載があっても、それを根拠として、右の課題を解決する他の具体的技術思想をもってすべて本件考案に含まれるとすることはできない。このことは、出願時の請求の範囲欄に「同一駆動源で駆動される差動装置を介して2本の転軸を連結し、かつ、両端に駆動輪を固設し、所定間隔で平行状に配設してなる2基の転軸体と、前記駆動輪と転接して回転可能とすべく転軸体上へ乗載されたシェル本体とを備えてなり、前記駆動輪すべてを同一駆動源で回転駆動させることにより前記シェル本体を回転させるべく形成したことを特徴とするロッドミル」と抽象的に記載されていたものが、昭和六一年九月五日、昭和六二年一月一七日、同年七月三一日の各補正を経て、最終的に前示の請求の範囲の記載のように具体的な記載に変更されたこと(乙五ないし一六)からも首肯できる。

そして、本件考案については、請求の範囲においても、また、考案の詳細な説明においても、前示のような回転の伝達構造以外に回転伝達のための具体的な技術思想が開示されているとみることはできない。

(二) 構成要件B、E中の「水平」の意義について

(1) 証拠(乙三ないし五、七ないし一五)によると、本件考案の出願の経過として、以下の事実を認めることができる。

〈1〉 本件出願当時の明細書及び図面には、実施例として転軸体及びシェル本体を水平に設置したものが示されていたが、前示のように当初の実用新案登録請求の範囲には二基の転軸体及びシェル本体の中心を水平にするという要件は含まれておらず、また考案の詳細な説明中にも触れられていなかったこと。

〈2〉 その後、原告は、特許庁審査官から拒絶理由の通知を受けて二回にわたり手続補正書を提出したが、この段階でも、「水平」という要件は含まれていなかったこと。

〈3〉 原告は、昭和六二年四月三日付けで、本件出願に関し特許庁審査官から拒絶査定を受けたが、その理由は、「ドラムの回転子を全輪駆動することはチューブミルなどにおいて慣用されたものとなっているので(例として特公昭五四-四〇七六八号参照)、この出願の考案は引例のものから当業者が単なる設計的変更によってきわめて容易に考えだしえた程度のものであると認める。かつ、この出願の考案の作用効果に格別なものが認められない。」というものであったこと。

〈4〉 原告は、これに対し、審判の請求をすると共に、同年七月三一日付け手続補正書により、実用新案登録請求の範囲及び考案の詳細な説明を本件公報記載のとおりに訂正して、二基の転軸体及びシェル本体の中心を水平にするという要件を付加したこと。そして、右補正書と同時に提出された審判請求理由補充書によれば、右〈3〉の拒絶査定の引例は、回転ドラムを水平に設けたものよりも砕石能力がはるかに優れ、その砕石能力を機枠の傾斜角度を変更することによって容易に変更調節しうるものであるのに対し、本件考案は、任意の設置面上へ適宜水平で平行状に対設した二基の転軸体を同一駆動源で回動自在となし、この転軸体上へ外輪体を介してシェル本体を乗載してなるロッドミルに関するものであると説明されていたこと。

(2) 右の出願経緯に照らせば、本件考案は、従来技術である回転ドラムを傾斜させた砕石装置に対し、シェル本体の中心及び転軸体を水平に設置することにより、前記第二の一4(一)(二)のような作用効果を得るようにした点に特に意味があるものと認められる。したがって、構成要件B、E中の「水平」の意義は、文字どおりに解するのが相当である(ただし、この種の大型装置を設置する際に通常用いられる計器の誤差の範囲内の傾斜は許される。)。

2  本件考案とイ号物件の構成の対比

(一) 構成要件A、F、Gについて

イ号物件の差動装置G及び一対の転軸H-Hは構成要件Aを、駆動輪Jは構成要件Fを充足しており、イ号物件は、ロッドミルであるから、構成要件Gを充足している。

(二) 構成要件B、Eについて

次に、転軸H-Hと駆動輪Jとからなる二基の転軸体Iは、転軸体が水平に設置される点を除き構成要件Bを充足しており、シェル本体A及び外輪体Bも、シェル本体の中心が水平である点を除き構成要件Eを充足している。

そこで、続いて、イ号物件の転軸体及びシェル本体が構成要件B、E中の「水平」の要件を充たしているかどうかについて検討する。

まず、イ号物件は、これをライナーを使用しないで水平面に置くとシェル本体Aの回転中心軸及び二基の転軸体I、Iが水平となる構造のものである(当事者間に争いはない。)。しかしながら、本件考案にいう「水平」とは、装置を実際に設置し、使用可能な状態にしたときの状況を意味するものと解される(本件考案の作用効果(前記第二の一4)のうち(一)(二)の効果は、作動状態においてシェル本体の中心を水平とすることによってもたらされるものである。)から、イ号物件が本件考案の構成要件を充足しているかどうかを判断するに当たっても、イ号物件が設置後の作動状態において右の水平の要件を充たす構造となっているかどうかを検討すべきである。

そこで、右の観点から検討するに、証拠(甲七、乙一八、被告フクダ精工代表者)と弁論の全趣旨によると、イ号物件は、シェル本体内におけるロッド棒の移動防止、粉砕目的物の粒状の調整及び滞留時間の調整等のために、水平面にそのまま設置することを予定されておらず、設置の際には、厚さ三ないし五センチメートルの専用の鉄製ライナーを水平に設置されたコンクリート製の基礎とイ号物件との間にかませ、これによって、排出口側が供給口側よりも適度(〇度四七分ないし一度一八分程度)に高くなるようにして作動させるような構造に設計されていることが認められる。

そうすると、イ号物件は、構成要件B、E中の水平の要件を充たしていないことになる。

なお、原告は、右の程度の傾斜は「ほぼ水平」といってよいから、イ号物件は本件考案の構成要件B、Eを充たすと主張するが、本件考案における水平の要件を文字どおり水平と解すべきことは前示のとおりであり、証拠(乙一八、被告フクダ精工代表者)と弁論の全趣旨によれば、イ号物件は、相当の重量のあるシェル本体(その中には大量のロッド(鉄の棒)が装入されており、例えば、イ号物件の一つである被告フクダ精工製ロッドエース二四四二型では二〇ないし二五トンのロッドが装入される。)を駆動輪の上に載せて毎分一九回転以上の回転数で回転させる装置であることが認められるので、右の傾斜によって被告らの主張する作用効果がないとはいえず、また、〇度四七分ないし一度一八分という傾斜は、この種の大型装置を水平に設置する場合における計器の誤差の範囲内のものとみることもできない。したがって、原告の右主張は、失当である。

(三) 構成要件C、Dについて

別紙イ号図面のように、イ号物件は一対の差動装置G、Gを有するが、同図面において中間軸M、駆動軸Eと表示されている軸は一本の軸であり、駆動源からこの軸(以下「駆動軸」という。)に伝達された回転は、駆動軸に設けられたプーリーと差動装置Gから突出している軸に設けられたプーリーとの間にかけられたベルトFにより、差動装置Gに伝達される構造になっている。そうすると、イ号物件では、一つの駆動軸が同時に、かつ、個別に、各差動装置に回転を伝える構造になっていることになる。したがって、イ号物件では、駆動軸から一つの差動装置に伝えられた回転を他の差動装置に伝えるべき中間軸(本件考案の中間軸)は存在しないというべきであり、その点において、イ号物件は、構成要件C、Dを充足しているとはいえない(なお、イ号物件においては、差動装置Gのプーリーの設けられている軸が本件考案における駆動軸に該当するというべきであるから、これと同一中心上に配設された中間軸も存在しないことになる。)。

3  まとめ

したがって、イ号物件は、本件考案の構成要件B、C、D、Eを充足しないから、本件考案の技術的範囲に属さない。

第四  総括

よって、原告の本件請求は、その余の点につき判断するまでもなく、いずれも理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岡久幸治 裁判官 後藤博 裁判官 入江猛)

イ号物件目録

イ号物件は、別添イ号図面記載の構造を有するロッドミルである。

一 イ号図面の説明

全体外形図は、イ号物件の全体の概略を示す斜視図である。

正面図は、イ号物件の動力の伝達構造を全体外形図の左方向から見た状態を示し、平面図は、同様に上方向から下向きに見た状態を示す。

二 構造の説明

イ号物件の構造を、動力の伝達を中心にして説明する。

シェル本体Aの内部(図示せず)には、砕石の目的とする岩石等を鉄のロッドなどと共に入れる。

駆動源Cは電動機であり、その回転は、ベルトDにより駆動軸Eに伝えられる。

駆動軸Eの回転は、ベルトFを介して差動装置Gに伝えられる。

中間軸Mは、差動装置Gの間をベルトFを介して連結している。

差動装置Gは、駆動軸Eの回転をそれとは直交状にある転軸H-Hの回転に変える。

転軸体Iは、一対の転軸H-Hからなり、それぞれの転軸H-Hの回転は両側に一対ある駆動輪Jに伝えられる。

駆動輪Jは外輪体Bを支えると共に、その回転により外輪体Bを回転させる。

シェル本体Aは、外輪体Bが回転されることにより回転する。

なお、駆動源Cによって生じた回転は、同様のコースをたどり、駆動補助輪Kをも回転させ、この回転は外輪体Bにも伝えられる。

また、外輪体Bがはみ出すことを防止するため、遊輪Lが外輪体Bの両側に設置されている。

さらに、イ号物件を水平面に置いた場合、シェル本体Aの回転中心軸及び二基の転軸体Iは、その面に対して平行状である。

イ号図面

〈省略〉

別紙 1

〈省略〉

〈19〉日本国特許庁(JP) 〈11〉実用新案出願公告

〈12〉実用新案公報(Y2) 昭63-23950

〈51〉Int.Cl.4B 02 C 17/24 識別記号 庁内整理番号 2111-4D 〈21〉〈44〉公告 昭和63年(1988)7月1日

〈54〉考案の名称 ロツドミル

前置審査に係属中 〈21〉実願 昭57-21023 〈55〉公開 昭58-124243

〈22〉出願 昭57(1982)2月16日 〈41〉昭58(1983)8月24日

〈72〉考案者 伊佐地一利 愛知県名古屋市西区名駅二丁目18番8号

〈71〉出願人 伊佐地一利 愛知県名古屋市西区名駅二丁目18番8号

〈74〉代理人 弁理士 長屋文雄

審査官 矢野俊史

〈56〉参考文献 特公 昭28-3654(JP、B1) 特公 昭54-40768(JP、B2)

実公 昭41-17352(JP、Y1)

〈57〉実用新案登録請求の範囲

差動装置の両側へ一対の転軸を回動自在に対設し、該転軸のそれぞれ一端にクツシヨン性を備えた駆動輪を固設してなる転軸体の二基を水平で平行状に対設し、かつ、前記一対の差動装置間を前記転軸と直交状に配設した中間軸で回動自在に連結し、さらに、一つの駆動源と前記差動装置の一つとを前記中間軸と同一中心上に配設した駆動軸で回動自在に連結し、前記駆動輪転接して回転可能とすべく中心を水平としたシエル本体の外周に囲繞して配設の一対の外輪体を乗載してなり、前記駆動輪すべてを前記一つの駆動源で駆動させて該外輪体と転接して前記シエル本体を回転させるべく形成したことを特徴とするロツドミル.

考案の詳細な説明

本考案は、任意の設置面上へ適宜平行状に対設した二基の転軸体上への外輪体を介してシエル本体を乗載してなるロツドミルに係り、特に該二基の転軸体にそれぞれ同一の差動装置を設けると共に、該差動装置を回転自在に連結して一つの駆動源で全駆動輪を回転駆動させてシエル本体を効率良く回転させるべくなしたロツドミルに関する.

従来のロツドミルは、一般に、設置面へ平行状に配設された二基の転軸体のうちの一方を、差動装置を介してモータ等の駆動源と連結してなり、該転軸体両端に設けた駆動輪でこれと転接するシエル本体を回転駆動させるが、他方の転軸体は、駆動源と連結されておらず両端に回転自在な従動輪を軸支するのみの構造となつている.

ところが、シエル本体内には原石を粉砕するために、極めて重量の大なるロツドが多数収容されており、シエル本体の回転中は該ロツドがシエル内周面と衝接し、シエル本体の重心位置を常に変動させるため、該転軸体への負荷を軽減させるべく駆動輪及び従動輪のクツシヨン性に富む空気入ゴムタイヤ等を用いている.

よつて、該駆動源とシエル本体との接圧が前記重心位置の変動によつて変化するため、どうしてもシェル本体が片寄つて、接触面でスリツブする等シエル本体を効率良く回転させることができないものとなつている.

そこで、前記二基の転軸体両方に差動装置を設け、該差動装置それぞれに別々に駆動装置を連結して、シエル本体の両側より回転力を付与し、いずれの方向に片寄つても少なくとも一方の転軸体でシエル本体を回転させることができるように形成したものがある.

これによれば、差動装置はロツドの衝接に対応し駆動源の回転速度を調整することができるも、回転軸両端に固設した駆動輪の平均速度はその構造上常に一定であり、実質的にこの平均速度によつてシエル本体を回転させるものとなる.しかしながら、該平均速度は両転軸体と連結したモータ等の駆動源の回転数で決まるものであり、この駆動源の回転数を同一とすることは困難であるため、この回転数の相異によるスリツプが発生する等の問題点を生じ、よつて、効率の悪い回転状態となることが必然的となつている.

また、シエル本体を駆動させるには、極めて大なる駆動力を要するために駆動源を二基要する構造の場合、設置面積も大なるものとならざるを得ず、よつて、高価となる等の種々なる不具合も有している.

そこで、本考案はこれら従来のロツドミルに関し生じている前記問題点に鑑み、一つの駆動源で一対の差動装置を介して全駆動輪を駆動して回転しうべくなした両転軸体を等速で回転し得て駆動輪とシエル本体のスリツプを防止し、かつ、ロツドの衝接によるシエル本体の重心位置の変動によるスリップも防止できる等確実な駆動力を伝達して効率の良い回転を付与できると共に、簡易な構造でこれを達成することによつて設置面積を小さいものとなし、さらに、安価かつ容易に製造できるロツドミルの提供を目的としてなされたものである.

本考案の要旨は、差動装置の両側へ一対の転軸を回動自在に対設し、該転軸のそれぞれ一端にクツシミン性を備えた駆動輪を固設してなる転軸体の二基を水平で平行状に対設し、かつ、前記一対の差動装置間を前記転軸と直交状に配設した中間軸で回動自在に連結し、さらに、一つの駆動源と前記差動装置の一つとを前記中間軸と同一中心上に配設した駆動軸で回動自在に連結し、前記駆動輪と転接して回動可能とすべく中心を水平としたシエル本体の外周に囲繞して配設の一対の外輪体を乗載してなり、前記駆動輪すべてを前記一つの駆動源で駆動させて該外輪体と転接して前記シエル本体を回転させるべく形成したことを特徴とするロツドミルである.

以下、上記した本考案ロツドミルの要旨をさらに明確にするため、本考案の一実施例を挙げ、図面を利用して説明する.

本実施例によるロツドミルは、所定間隔で水平で平行状に配設された二基の転軸体1a、1bと該転軸体1a、1bを回転駆動させる一つの駆動装置2と、前記転軸体1a、1b上に水平に乗載されたシエル本体3と、該シエル本体3の回転軸方向一端側に原石を水と共に供給するためのホツバー4及びこれとシユート41を介して連結した給石装置5とが連結されると共に、他端側にシエル本体3内で原石を粉砕した砕粒物をその粒径に応じて分別排出する分別装置6とからなつている.

転軸体1a、1bは、転軸11a、11’a、11b、11’bをそれぞれ差動装置12a、12bを介して連結すると共に、各転軸体1a、1bそれぞれの両端に空気入ゴムタイヤ等のクツシヨン性に富む駆動輪13a、13’a、13b、13’bが適宜数ずつ(本実施例では図示の如く二個ずつとしたが、これは適宜増減してもよい)固設されてなつている.

前記差動装置12a、12bは、駆動大歯車121a、121bと、それぞれの転軸11a、11’a、11b、11’bに固着された差動大歯車122a、122’a、122b、122’bと、ピン軸124a、124bによつて一体的に差動大歯車122a、122’a、122b、122’bを公転可能な差動小歯車123a、123’a、123b、123’bとからなつており、前記駆動大歯車121aは、駆動装置2の駆動源であるモータ21の回転を適宜チエン伝導機構等を介して伝達されて駆動する駆動軸22に固着された駆動小歯車221と歯合し、一定の回転数で回転可能となつており、さらに、前記駆動大歯車121bは、駆動大歯車121aと等速で回転させるべく、一端に伝導歯車141、他端に伝導歯車142を固設し前記駆動軸22と同一中心上に配設してなる中間軸14の該伝導歯車142を介して歯合し、前記駆動源2からの動力を伝達しうべく形成されている.

また、前記駆動輪13a、13’a、13b、13’bは、シェル本体3の外周に突設された外輪体31、31’と転接して該シエル本体3を回転自在となつていて、該回転によつてシエル本体3に収容されている原石を、同様に収容されている図示しない多数のロツドの転動により粉砕可能となつている.

つぎに、以上のように構成したロツドミルの作動について説明する.

まず、ホツバー4に収容されている原石は、シユート41を介して給石装置5へと送られ、該給石装置5から水と共に定量ずつシエル本体3内に供給され、シエル本体3の回転によつてロツドが転動し原石を粉砕するようになつている.

すなわち、モータ21の起動により伝導機構を介して駆動軸22が回転し、差動装置12aを介して転軸11a、11’aを等速で回転させると共に、中間軸14も駆動軸22と等速で回転し、差動装置12bを介して転軸11b、11’bをさらに等速で回転させる.

よつて、転軸11a、11’a、11b、11’bはすべて等速で回転するので、各転軸11a---に固定されて一体に回転する駆動輪13a、13’a、13b、13’bによつて外輪体31、31’へ等しい回転力を付与させることができ、よつて、シエル本体3をスリツプさせることなく確実に始動、回転させることができる.

ついで、シエル本体3が回転するにつれてロツドが転動してシエル本体3の内周面に衝接し、シエル本体3の重心を変化させるので、駆動輪13a、13’a、13b、13’bの弾性収縮量がそれぞれ変化する.

しかし、シエル本体3は一つの剛体であるから、仮に駆動輪13’aよりに重心が変化した場合、駆動輪13’aの収縮量が最も大となり、駆動輪13bの収縮量が最も小となる.したがつて、転軸体1aでは差動装置12aの差動によつて駆動輪13’aの回転数を上げ、駆動輪13aの回転数を下げるべく作用し、もう一方の転軸体1bでは差動装置12bの差動によつて駆動輪13’bの回転数を上げ、駆動輪13bの回転数を下げるべく作用する.

この差動作用は、差動装置12a、12bの構造上、周知のように駆動輪13aと13’a、13bと13’bの平均回転数は常に一定であり、かつ、この平均回転数はそれぞれの駆動大歯車121a、121bの回転数で決定されるから、転軸体1a、1bの平均回転数は同一に保たれる.

なお、駆動源13a---は長期使用によつて摩耗するが、摩耗による片べりに起因するシエル本体の重心の変化に対しても、同様に調整されるものである.

このように、シエル本体3は常に両側の転軸体1a、1bで同一の回転力が付与されるので、駆動輪13a---とスリツプすること等がなく、きわめて効率良く回転できるものとなつている.

さらに、シエル本体3内でロツドの転動によつて粉砕された砕粒物は、分別装置6によりその粒径に応じて分別排出されるのである.

なお、本実施例では差動装置二基を一本の中間軸を介して連動させることにより同一駆動源で駆動可能とする構成としたが、本考案はこれに限らず、同一駆動源で等速の回転を各差動装置に伝導できるものであればどのような構造であつてもよく、また、シエル本体にホツパー、給石装置及び分別装置を配設したが、これらは必ずしもすべてを備えなければならないものではなく、その他転軸体、駆動装置あるいは差動装置等の具体的な構成は前記した本考案の目的、作用及び後記する考案の効果が達成される範囲においてそれぞれ任意に定められてよく、これらは本考案の要旨を何ら変更するものでないことは申すまでもない.

以上詳細に説明したように、本考案は二本の転軸を差動装置を介して水平の同一中心線上へ連結し、その両端に駆動源を固設し、中間軸で回動自在に連結してなる二基の転軸体上へ同じく中心を水平としたシエル本体の外輪体を乗載し、一つの駆動源で転軸体が差動装置を介して回転しうべくなして全駆動輪を同時に駆動可能として、駆動輪をシエル本体の重心位置の変動に応じて回転数を調整しうべき構造としたので、各中心が水平であるので安定したものとなり、ロツドの転動や駆動輪の摩耗等によるシエル本体の重心の変動に的確に対応して、駆動輪の回転を差動させることができると共に、常にシエル本体の両側から一定の回転数を付与でき、シエル本体をスリツプさせることなく確実、かつ、安定し、さらに、きわめて効率良く回転させることができるものである.

また、駆動源も一つでよいので設置面積を小さいものとできるうえ、安価かつ容易に製造でき、さらに、シエル本体での砕石能力を高めうるため、シエル本体をテーバ状に形成した場合においても、外輪体を介して一定の回転を可能とする等、従前のロツドミルに関し生じている既述の問題点を極めて簡易かつ効果的に改善される著効なものである.

図面の簡単な説明

図面は本考案ロツドミルの一実施例を示したもので、第1図は正面図、第2図は平面図、第3図は左側面図、第4図は転軸体の差動装置内部構造の一実施例を示す要部断面図である.

1a、1b……転軸体、2……駆動装置、3……シエル本体、31、31’……外輪体、11a、11’a、11b、11’b……転軸、12a、12b……差動装置、13a、13’a、13b、13’b……駆動輪.

第3図

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第4図

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第1図

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第2図

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実用新案公報

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